行き先のない不安 現状に戻る恐怖
どんな表現が当てはまるのかわからない。行き詰まり感、惨めさと虚しさ。退職を申し出たものの行く先の見通しはゼロ。このまま行けば来年の2月からは無収入状態。
今の職場に「退職を撤回」と言ったらどうなるか。まぁ、「社員育成」の名の下に耐え難い罵詈雑言を浴びせられ、仮に元の鞘に収まれたとしても、その場所はこの1年で精神不安定に追い込まれた職場である。今の年収550万を守ったとしても、さらに強い精神不安定に陥ることは明白。だから「戻る」選択肢はあり得ない。
何にしても最低の気分だ。
でも仕事は探さなきゃ。
潜んでいた選択肢 引き出したのはネット検索
「戻る」ことができないのだから「進む」しかない。そこを悩む必要がない分だけ気持ちは少し楽だった。そんな、ほんの僅かな心のゆとりが自分を救った。
今まで拘っていた「IT系技術職への復帰」から少し離れて考えてみてはどうか。そんな気持ちでネット検索。藁をもつかむ気分だったが、キーワードは「50代 未経験 転職」。意外と多くの仕事が出てくる。多いのは「警備員」「清掃員」「軽作業」など。
確かに街中で高齢のおとうさん風の方々が交通整理などやっているのをよく見かける。
まぁ、全く仕事がないわけではない。不本意ではあるが、今までの貯金を切り崩していけば、なんとか凌いで行けなくもない。ここで、さらに気持ちが一段落ち着く。
そして、いくつか同様のキーワード検索をしているうちに気になる仕事がヒットした。
それは、「介護福祉職」だった。
忘れかけていた第3の人生 介護福祉職
ん!?介護福祉職…そういえばそっちの業界に興味を持った時期があったな。。
私は20代の頃、プログラマーの仕事をしていた。これが「IT系技術職」で、この頃が第1の人生だった。プログラマーの経験を活かして30代から「教育業界」に転職した。パソコンや情報処理の技術を教える教務職である。これが現職で第2の人生。23年程継続して今に至るのだが、第2の人生後半はリストラとも思われる異動の連続で精神的不安定に陥った。人を信じられなくなり、職場に恐怖心を抱くようになった。
30代後半から40代の頃には母親(4年前に他界)が要介護状態になり、仕事をしながら見守り・介護を14年程続けた。ソーシャルワーカー、ホームヘルパー、介護福祉士、ケアマネージャーの皆様にお世話になった時期が長かった。自分でも食事、歯磨き介助、おむつ交換等々やっていた時期もあった。もちろん「介護保険利用者」としての域を超えないが、この辺りの経験から、介護の仕事に興味を持っていた。
直接人に喜んでもらえる仕事。いつか介護福祉職を本業にしてもいいかも知れない。などと思っていたが、現職の多忙にかまけてすっかり忘れていた。
介護福祉業界 54歳未経験 正社員採用あり?
今現在、従事されている方々には申し訳ないのだが、一般的に「きつくて低収入」と言われている業界である。自身が体力的に耐えられるのか、家族を支えるだけの収入が得られるのか、そして、何よりも「54歳未経験」で採用してくれるのか?早速、調べてみることにした。
月並みではあるが、まずはネット検索から始めた。程なく見つかったのが東京都福祉人材センターだった。介護職だけでなく相談業務、福祉系事務職など介護福祉職に関係する様々な情報を得られるところで、早々に相談の電話をしてみた。
電話に出た担当者との話、最初に聞いたのは、やはり「54歳未経験で他業種からの転職が可能か」という事である。結論は…
「大丈夫ですよー」
だった・・・・・。
あまりにも簡単に言うので二度聞きしてしまった。
私 「あの、54歳未経験で本当に正社員として採用してもらえるのですか?」
担当者 「はい、40~50代で他業種から転職される方は多いですし、施設を利用される高齢者の方々に年齢が近い分、若い方よりもコミュニケーションが取りやすいという理由もあります。ただ、無資格で就職すると最初の給料(月給)は20万前後というところですかねぇ。」
え…!? 40~50代で転職する人は多い…の?。
時節到来か 破滅の始まりか これが人生の転機
不本意な経緯ではあるが、行き詰まってどん底に落ちたこのタイミング。今こそ人生の転機が来たのだ。第3の人生の始まりである…と思いたい。
確かに収入は低い。今までに比べれば4割減。。でも、経験を積み、介護福祉系の資格を取ることで、給料は上がっていく、正社員であれば少しずつ昇給も見込める。夜勤を行うことで収入増も見込める(もちろん、自身の健康に十分配慮しながらであるが)。一時的に収入減となっても、65歳まで(介護福祉業界では70歳まで働ける法人も多いそう)のことを考えれば、総合的には今の職場を超える収入も見込める。
何より「やりがい」が全く違う。リストラとも言える不本意な異動で就いた職場で半病人のように生きるよりも、直接「ありがとう」と言われる仕事。「やりがい」に関しては、今の仕事とは比べものにならない。
一日中「立って」行う仕事であるのだから。「きつい仕事」であるという部分については、確かに体力面で現職より厳しい部分があると想像できる。ただ、「仕事がきつい」のは、今の仕事も同じ。サービス残業当たり前、休日出勤、休日も仕事を持ち帰って在宅勤務。正社員として仕事するってこんなものだと思っている。なので、「きつい仕事」である部分はある程度の覚悟を持って臨むつもりである。
あとは収入。これさえクリアできればいい。
もう悩む余地はなかった。「やりがい」と「転職可能という状況」。担当者からは資格取得の話や、対面での面談の話など具体的なことについてどんどん進んでいる。話しながら、今まで感じていた惨めさや虚しさが解消されていく、不安定だった精神がどんどん安定していくのを感じた。介護福祉職で再起してみたいと心底思うことができた。
これは時節到来か
それとも破滅の始まりか
65歳になった時、その答えが出る。





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